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規制からフリーなのは派遣サービス料金と賃金の分野だけではないでしょうか。
しかし、労働者派遣法には附則として「三年後の見直し」規定が見受けられます。
これは、時代の進展を見つめつつ、より時代にマッチした派遣システムに改変する余地を将来に残したものといえます。
これまでも三回法律が見直され、対象業務が部分的に拡大されてきました。
また現在では、対象業務を原則自由化するという改正案も国会に提案され、近いうちに採決される見込みとなっています。
ですから、先の「見直し規定」は、人材派遣にかかわる三者のコンセンサスがもっとよい方向で形成されれば、それに準じてシステム自体を実態に合わせて柔軟に変える余地があるものと読み取ってよいでしょう。
2労働者派遣法改正のポイント田改正の経緯さて、このような労働者派遣法が、九九年に法施行以来一三年目にして抜本的に改正される見込みとなりました。
ここでは、法改正までの経緯と背景、そして改正法案のポイントと留意点について述べます。
繰り返しになりますが、労働者派遣法は八五年(昭和六〇年)に成立し、一年間の準備期間をおいて翌八六年(昭和六一年)七月に施行されました。
新法が誕生するまでには、労働界などからの強い反対があり、難産の末の成立でした。
反対の理由は、先に述べたように法制化されれば派遣労働者が急増して。
そのために常用雇用労働者との代替が進み、伝統的な雇用慣行に支障を招きかねないとの懸念があったためです。
そのため、派遣のできる対象業務を、ポジティブリスト方式に従って専門的な知識と経験を必要とする業務に限度して指定し、派遣のできる期間も制限するなど、規制についてずいぶん議論されたわけです。
また、派遣には不当なピンはねや強制労働などといった、過去の忌まわしいイメージが強いとされてきたため、派遣労働者を保護するという観点からも、派遣業者の許可制を採用するなど、よからぬ人間がこの業界に参入しないように入口規制を敷いたのです。
このようにして、派遣が派遣先の常用雇用者の代替を促進することを予防し。
派遣とそうした直接雇用の労働形態との間に一線を引いたのでした。
そして八六年七月には、合計十三の対象業務で施行され、続くI〇月には三業務が追加指定となり、合計}六の対象業務で船出をしました。
そして、九六年(平成八年)に専門性と経験性の要素を加味して、新たにI〇業務が追加拡大され、現行の合計二六業務となったわけです。
ところが、その直後に派遣法の見直しを政府の規制緩和委員会から要請され、再々見直しするという異例の事態を見るに至りました。
その背景には、バブル不況下で進展する産業界のリストラと、雇用情勢の悪化があったのです。
とくに、派遣対象業務の自由化に対する産業界の要望は大きく、それが今回の抜本的改正への影響力となりました。
では、問題の労働者派遣法の改正は、どういう方向で検討されているのでしょうか。
改正案は九八年一〇月に国会に提案されています。
九九年三月現在、まだ可決成立を見ていませんから、改正案がそのまま成立するだろうという想定で説明します。
ポイントは四つあります。
対象業務の自由化第一は、適用対象業務の原則自由化です。
先にも説明しましたが、従来は派遣をしてもよい対象業務を指定して、他は認めないというポジティブリスト方式でしたが、今回の改正案ではこれを一八〇度方向転換して、ネガティブリスト方式を採用するというものです。
すなわち、派遣をしてはならない適用除外業務を指定して、他は原則自由とする内容です。
これは、派遣法の基本概念を変えるものだけに、抜本改正といえるでしょう。
ところで、改正法案は、あくまで「原則」自由化であるという点に留意しなければなりません。
それは適用除外業務があるためです。
改正法案では、この適用除外業務として、①港湾運送業務②建設土木作業業務③警備業務④製造工程にかかわる業務の四つがあげられています。
これらについて、改正法案にもとづいてくわしく紹介します。
労働者派遣法第四条第一項によると、次のように規定されています。
「何人も次の各号のいずれかに該当する業務について労働者派遣事業を行ってはならない。
二港湾運送業務(港湾労働法第二条第二号に規定する港湾運送の業務及び同条第一号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう)ミ建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係わる業務をいう)三、警備業法第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務さらに、附則第四項が次のように改められることになっています。
「四、何人も、物の製造の業務(物の溶融、鋳造、加工、組み立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に係わる業務をいう)であって、その業務に従事する労働者の就業の実情、並びに当該業務に係わる派遣労働者の就業条件の確保、及び労働力の需給の適正な調整に与える影響を勘案して、労働省令で定めるものについては、当分の間、労働者派遣事業を行ってはならない」とされています。
剛期間の設定第二は、派遣期間の設定です。
今回の法改正案では、派遣のできる期間が二本立てとなっているのが特徴です。
第一は、現行の二十六業務については、派遣期間を最長一年間としながらも、三年以内の更新を認めています。
これは現行法を踏襲しています。
反対に、自由化されるその他の業務の派遣期間については、最長一年間として更新を認めていません。
すなわち、派遣先が同】業務について、労働者派遣の役務を受け入れる期間の上限を一年間に制限しているのが特徴です。
さらに、規定によると「一年の期間制限を超える場合は当該スタッフの雇用」を派遣先に義務づけています。
第三は、派遣労働者保護等の措置が講じられている点です。
保護措置は次のイ、ロ、ハの三点です。
すなわち、イ、適正な派遣就業の確保・社会保険の不適用を理由として処罰された場合には、許可の欠格事由に追加すること。
・派遣先での派遣就業を適正かつ円滑にするために、就業環境の維持、診療所等の利用に便宜を図る措置を講じること。
ロ、苦情処理の体制の確保・違法派遣などに係わる申告制度の創設。
さらに、申告をした理由で不利益な取り扱いを受けないようにするための措置を講じること。
・公共職業安定所による派遣労働者に対する相談・援助体制の確立。
・労働者派遣事業適正運営協力員による専門的な助言。
ハ、秘密の厳守・派遣元事業主等による派遣労働者等に係わる個人情報の漏洩の禁止。
改正法の施行日第四は、改正法の施行日について。
改正法案では、平成一一年七月一日から施行することとしています。
ただし、これはあくまで案であり、九八年一〇月に国会提案された改正法案は、九九年三月の時点でも採決に至っていません。
審議が遅れている期間だけ施行日は延長されますので、今後の国会審議過程を注目する必要があるでしょう。
派遣先に必要な知識川派遣活用はすべて文書契約で行う派遣契約、正式名でいえば労働者派遣契約の締結については、労働者派違法で定められています。
それが文書であるかどうかといった、形式などについては問われていません。
しかし、派遣元がスタッフを派遣し、かつ派遣先が受け入れるにあたって、両者の契約関係をビジネスライクにして、その中身を双方が確認しあい、記録として残すという点でいえば、文書契約が最も望ましいわけです。
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